冷酒とシャブリ
日本酒とワインには一家言お持ちの方も多いと思います。
お酒の歴史はその方の歴史でもありますから、伺うのもまたこちら側の一興です。
「シャブリだっていろいろあるんだ、
それをうちの親父はどんな良い畑のシャブリも氷水でさんざ冷やしちまうんだよ」
たしかにもったいないかもしれないけれど、
お父様が大人になった息子さんと良いワインを、
そう思って氷水にどぶ漬けしている風景を考えるとほっこりします。
「ちかごろの日本酒はどうも甘ったるくてかなわない、わたしにはきりっと冷えた辛口を頂戴」
そう言い切る女性も素敵です。
お水をお出ししようとすると、気持ちの良いひと言を笑顔でぴしゃり。
「水を飲むくらいなら家に帰ってぐっすり眠るわ」
肴のいる方、いらない方。
会話のいる方、いらない方。
――自由な夜を。