日本むかしばなし
♪ハンプティダンプティ サッ オン ザ ウォー
むかしのトマトは今ほど甘くなかったとか、
庭では自由に落ち葉を焼けたとか、
ご飯とお風呂は父親が先だとか、
仕事は見て覚えるものだとか、そういう話がありますね。
私たちはあまりそういうターンで生きていませんが、
先日、お客さんに手製のラー油で和えた冷や麦をお出ししましたら
笑いながらずっと鼻をおさえて辛さが引くのを待ってから
「そうだ。南蛮の辛さはこうでなくっちゃ」と
瞳を潤ませてらっしゃいました。
「俺はね」そう言いかけていま一度、鼻をかみ
「女房がなに言おうが糖質を取り続けてやるんだ」
そういってハンプティダンプティのように
オシャレなお客様は「がはは」と笑って
最後のひとたぐりまで豪快にすすり終えた刹那、
「うまい、帰る」と言って席を立たれます。
二階のひまわりもつられて笑う、ある夜のことでした。