店名の由来~7年目のご挨拶にかえて。

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そな田はそなた、と読みます。

 

2010年の雪解けの始まった春に「面白い物件があるけど」という話を受け、

いくらが美味しくなる初秋の古民家の軒先にそな田という名の小さな看板がつきました。

しかしながら開店当初から「何屋さん」というくくりは決めないまま今日に至ります。

 

それは、失礼ながら

お客さんにはそれぞれご希望とご事情がある以上、

なるべくご意向に添えるようにしたかったからです。

 

もうすこし丁寧にお伝えしてみます。

確かに「てんぷら屋さん」や「リストランテ」「ビストロ」のように

はっきりした目的をもって「あの料理を、あのお酒とあわせて食べたい」

ということも多いかと思います。僕も大好きです。

ただ、その一方でもう少し

「ふれあいや対話を大切にしたい夜」というのもあるように思うのです。

レストランだけでなく、カフェでもなく、バーにはない、

もうすこし言葉にできない、なにか。

 

「ご会食の場をもうけてお礼をつたえたい」

「この人ともう少しお話ししてみたい」

「大切なひとたちに紹介したい方がいる」

「誰かに聞いてほしい話がある」

「今日の最後にひとりでゆっくりしたい」

 

つまり、そな田を和食屋であるという人も

古民家の小さな憩いの場であるというのも

そのお客様の心のなかで自由に決めていただきたい。

 

————そな田はソナタ、からきています。

 

ソナタという形式の音楽が、

第1楽章から第4楽章まであり、

どの楽章から聴いてもいいように、

そな田は皆さんの1軒目でも4件目でもご自由に。

 

そう自由な日々を過ごしてきたそな田は

おかげさまで2016年10月をもって7年目を迎えます。

より一層、皆様のご期待に添えますよう精進を重ねてまいりますので

今後もご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。

 

そな田

小野寺 弘祐拝