見立て
たしか、1980年半ばころのある音楽家と小説家の共著エッセイだったと思いますが、
音楽家が代表曲をみずから「演歌と同じ仕組みのわかりやすい一曲でしかない」
というようなことを語っていました。
「日本人の好きなメロディーの仕組みを借りてつくっただけで、
どうしてそこまで評価され続けるのかが理解できない」
——当時の僕には音楽家がいらいらしている姿がみてとれるような気がしました。
自分の仕事を、自分の納得できるところとは真逆に評価されたとき、
じぶんがなにを大切にしながら仕事をしているかがはっきり見えるように思います。
誤解もありますが、理解もされます。